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春の音楽会

演奏会の日だった今週の日曜日のハンブルグの午後は、あいにくの雨と風に見舞われ、肌寒い気温でした。それでも足を運んでくださった方々が      多くいらっしゃいました。在住地で演奏できる機会に恵まれることは有難いことですが、やはりいろいろな意味で緊張いたします。。。
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今回のプログラムもスウェーデンでの演奏会と同じく、春を音楽でも皆さまに味わって頂こうということでした。多くのドイツ語歌曲でも、春にしか見れないやっと咲いた花や緑芽に感化された作曲家の感動が音となり、春の喜びがいっそう美しいものとして表現されています。

スウェーデン語歌曲にも春の喜びやお花を歌った歌詞の曲が多く残されています。スウェーデンの寒さはさらに厳しい国ですので、そこでも春の到来は待ちに待ったもののようです。

あまり知られていないスウェーデン語歌曲の内容を是非知りたいとのリクエストを頂きましたので、いくつかご紹介します。なお今回共演者が自ら選んだ曲は全て春&恋物語でした。(^^)

同じ美しい春の風景でも見る人の心境によっては、様々な印象をもたらすようです。今回のプログラムにあった曲の一つシュテンハーマー作曲の「少女が恋人と出会った後に」は、題名からだけでは、幸せな想像もできますが、初めのメロディーを聴くとそうではないことをすぐに知らされます。メロディーは常にスウェーデンの草原を一人佇んでいる少女の孤独を思わせる哀愁が漂っており、恋人との悲劇的な運命に翻弄された少女を表現されるべく、歌詞の中では少女の死を連想させるように、最後には春のお花の叙述も「死を望ませる!」と悲しさにあふれています。。

ちなみにこの曲は共演者の一番好きな曲だそうです。この曲に合った音色を探しだすのに歌詞からありとあらゆる主人公の心情や背景について二人でたくさん語り合いました。なんだか書いていると曲の情景を思いだしてきて悲しくなってきました。。どんなに恋人とうまくいかなくても死んではいけません。かわいそうですっ。ううう

気を取り直して・・・わたくしが個人的に好きなスウェーデン歌曲の一つは、同じ作曲家シュテーンハマーより「聖ヨハネの祝日の前の日に」です。この曲ではスウェーデンの伝統の一つが歌われています。お花は願い事を叶えると言われているそうで、それぞれの願いによってお花も違います。この曲では、友情を意味するお花と恋人との関係の成就する意味するお花を育て、どちか芽が先に出た方が、実際の相手の想いなのだと主人公が歌っています。そのメロディーは主人公の期待と切ない緊張感に溢れた優美な印象をもたらします。

日本で言う、お花のはなびらを一枚づつちぎって相手の想いがどちかを占うような感じなのでしょうか。はなびらをちぎるのは数十秒で終わりますが、スウェーデン式では時間が相当にかかりますね。。でもやっぱりお花を育てて芽が出るのを待つ方が楽しいかもしれませんっ!いつか願い事をかなえてくれるお花を家で育ててみようと思います。何にしようっかなっ!

家の近くに咲いている色とりどりのお花たちです。こちらは何の願い事をかなえてくれるのでしょうか??
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by pianist_naomiy | 2009-05-22 21:55 | ドイツ | Trackback

ピアニストです♪10代の頃にドイツへ渡り、約15年の滞在を経て日本へ戻ってきました。詳細につきましては、下記プロフィール記載のオフィシャルサイトをご覧くださいませm(__)m


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